オンシーズンの
1日当たりの賃料が200ドル、
1カ月の賃料だと、割引して5000ドルの
バーケーション・コンドーミニアムが
35万ドルで売りに出されているとしたら、
皆さんは、
借りますか それとも 買いますか?
「それだけだとわかんないな。
場所はどこ?」
ビッグアイランドでお馴染みの
ハワイ島の西南に位置する、
カイルア・コナです。
コナ空港からクルマで40分ほど。
道路を一本挟んだ先には
ホワイトサンズビーチ別名、
砂浜が季節により現れたり
消えたりすることから
マジックサンズビーチとも呼ばれる
観光スポットに素足で行き来できます。
もちろん、
夏の間は、豊かな白い砂浜と
20mを優に超えるヤシの木が
皆さんを迎えてくれますので、ご安心を。
「ふんふん、おーここか。
マジックサンズビーチで画像検索したら
一発で分かったよ。
よさそうなとこじゃない。
それで、その物件はどこ?
やっぱりさ、物件の良しあしは
見ないとわかんないな」
ホワイトサンズビレッジです。
先ほども申し上げましたが、
マジックサンズビーチから
道路を一本挟んだ先です。
手入れが行き届いた敷地内には、
青々とした芝生とヤシの木に囲まれた
プライベートプールの脇には
バーベキューコーナーがあり、
テニスコートは2面用意されています。
「……
で、なんだっけ
1日200ドルで1か月5000ドル、
売値が35万ドルだったよな……、
紹介して」
それは、お借りするからでしょうか
それとも、お買い上げになりたいから
どちらです?
「もちろん、買うに決まっているでしょ」
即決ですね。
もう少しお考えになられた方がいいのでは?
「いいんだよ。
即断即決!
情報は早い者勝ちだからさ。
他の人に知られる前に動いた奴じゃないと
勝てないでしょ。
って、待てよ。
なんで、先生は買わないの?
その口ぶりからするとさ、
ここ2、3日の情報でしょ、
もしいい物件だったら、
先生が買ってるよね」
さすがです。
すんでのところで、踏みとどまられました。
危機管理能力は大したものです。
現在、私は2年に1度の
バーケーションタイムの
真っただ中にいまして、
宿泊先は、
売却物件のコンドーミニアム郡の中で
47泊中です。
2年に1度にしている理由は、
毎年の恒例行事にすると、
結果的に子供達から
日本の夏を奪ってしまうから……。
それと、
長期にしている理由は、
旅ではなく、海外で生活させるためです。
むろん、それを可能にさせてくれているのは、
大家さんだからであるのは、
言うまでもありません。
「能書きはいいからさ、
なんで、買わないのか
その理由を話してよ」
かしこまりました。
主な理由は3つです。
〇第一
オンシーズンでも利用者は満杯じゃない
〇第二
維持費が高い
〇第三
宿泊料は所有者と紹介業者で配分される
第一の理由ですが、
ホワイトサンズビレッジは約100戸
(2LDK+1バスルーム+1シャワールーム)
あるのですが、
利用者はそれほど多くありません。
夜に電気がついているのは、3割程度です。
所有者の9割以上は
ロスやカリフォルニアなどの
西海岸やオハイオなどの中西部、
そしてワシントンなどの東海岸
つまりメインランドが中心でして、
バーケーションレンタル用に
賃貸に出されているのは2割前後、
8割は誰にも貸しに出されていません。
ですから、所有者が利用していなければ、
そのまま、空き家状態です。
第二の理由ですが、
完璧に管理されている敷地内の維持費は
1戸当たり月額750ドル、
年間9000ドルかかります。
そして税金は年間3000ドルです。
〆て、最低年間1万2000ドル
必要となります。
その他にも、火災保険や室内設備の更新費を
3000ドルとすると、
おおよそ、1万5000ドルを
見込まなければならいでしょう。
第三の理由ですが、
驚いたことに、
お客さんの利用料金は所有者と不動産業者で
折半するのです。
日本のように、家賃1カ月分の
仲介手数料ではないのです。
むろん、バーケーションレンタル用として、
2日や3日の利用者をネットで募る手間暇を
考えると仕方ないのでしょうが、
それが、この物件のルール。
私たちの常識を押し付けるわけには
まいりません。
◎整理します
1、物件価格は 35万ドル
2、維持費は年間 1万5000ドル
3、収入は……
収入の点については、
若干推測が入ります。
オンシーズンで1日200ドル
月額5000ドルとして、
大半の利用者は、短期利用者ですから、
稼働率は50%前後……。
オンシーズンの
月額利用料5000ドルの50%ですから、
最大に見積もっても、
年間の収益は3万ドル。
(計算式:5000ドル×12か月×50%)
ただ、
収益は所有者と仲介業者の折半ですから、
所有者の手元に残るのは
3万ドルの半額の1万5000ドル。
☆結論
煎じ詰めると、
購入金額35万ドルに
購入諸経費を5万ドルとすると、
総額40万ドルを投じて、
期待年間利益は、ゼロ……。
本物件は、
購入する物件ではなく、
利用すべき物件であると考えます。
もちろん、所有し、
いつでも利用できる状態を
ずっと維持する
それが、心の安定剤になるならば、
それは選択肢の一つです。
ただ、貸家主義の精神として、
貸家の所有により、
財政基盤を強化することを
主眼とするならば、
本物件は購入対象から
外すべき物件と捉えるべきです。
物件の購入の是非は、
物件価格と期待収益だけでなく、
維持費やその他経費を
余すことなく探し出し、
実際に手元に残る金額をベースに
判断しなければ
あとで悔やむことになりかねません。
業者の口車に乗るのではなく、
業者が口にしない事実を
根掘り葉掘り聞きだし、
物件の真実の実力を暴き出す、
根気強さと慎重さが必要となるのです。
大丈夫、
一気にジャンプアップする
必要はありません。
あわてず
あせらず
あきらめず
一歩一歩、
三つの「あ」を胸に
歩んで行けば
いいのです。
平成28年7月 ハワイ島
ホワイトサンズビレッジから
藤 山 勇 司
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