前払い文化 と 電子マネー

 

「前払い文化 と 電子マネー」

日本は前払いに寛容……
と言うよりも、ごく自然、
当たり前に捉えているようです。

 

例えば、
健康保険料、年金掛け金、雇用保険料、
火災保険、生命保険、プリペイドカード、
そして家賃。

 

そう、大家さんにとって
最大の収入源である「家賃」は、
もちろん前払いです。

 

9月30日の月末に支払うのは
10月分の家賃。

 

ずっと支払っていると
そうした感覚はないのでしょうが、
ずっと続いている商習慣であり、
誰も不思議に思うことはありません。

 

健康保険・年金・
雇用保険などの社会保障費も、
必要な時に支払うのではなく、
将来に備えての前払いです。

もちろん、火災保険は火災になる前に
支払うものでして、火事の最中に
火災保険に加入できるはずはありません。

(( 念のため、用心には用心して、
最悪の事態を考えて…… ))

 

国民性なのでしょう。
しかし、それも行き過ぎると、
悪党に付け込まれる恐れが
多いのではないでしょうか。

しかも、仕掛ける当の本人に
悪気はないのですから、
目も当てられません。

 

ひとつ例を挙げると、
「切手」
”切手の発行”は日本郵便の
独占事業です。

 

いつ、どのくらい、
どんな切手を発行するのか、
それは郵便局の自由裁量に
任せられています。

切手の本来の意味は、
日本郵便の債務証書です。

84円の切手を貼れば、
84円分の郵便事業を
請け負わなけれなりません。

ところが、日本郵便は記念切手と称し、
様々な機会を捉え、発行に発行を重ね、
その累計額は”2兆円”を超えています。

 

おそらく、その7割~8割の
1.4兆円~1.5兆円は
永遠に死蔵されていることでしょう。

さらに、発行済み切手の1割前後は
消費されぬまま、机の引き出しや
タンスの奥で眠る運命。

 

つまり、発行した途端、
1割は濡れてで泡のぼろ儲けに
なっているのです。

 

火災保険や生命保険も
同様のことが言えます。

彼らは、
まず、火災確率や死亡確率を
膨大なデータから突き止め、

必ず儲けの出る比率で加入金額を設定し、
金融庁に新商品発売の許可を求めます。

 

あとは、広告の大量出向と
セールスレディーにはっぱをかけて
売りさばけば、それでいい。

庶民から前払いで集めた掛け金から
自分たちが必要な経費を抜き取って、

残りの一部を火災保険金や
生命保険金として支払っています。

 

彼らに悪党の意識などなく、
社会に必要な存在として、
自負心さえ抱いているのです。

火災発生時に被るリスクを考慮すれば、
火災保険は大家さんに必要不可欠。

私自身、馴染みの保険代理店と
お付き合いさせていただいています。

 

さて、ここから問題提起です。

 

議題にあげたいのは、
「プリペイドカード」です。

 

ことの発端は、私の先輩との
飲み会の席でした。

 

私の先輩は、呉宮原高等学校の16年先輩。
最初の本、
「サラリーマンでも大家さんになれる46の秘訣」
の奥付に”呉宮原高等学校卒”と
記載していたので、

「おまぇ、呉宮原かぁ!
じゃったら、新宿に出てこい!」

とお達しがあり、すでに14年目の
お付き合いになります。
2カ月に一度、多くの先輩方にまじり、
酒席を共にさせて頂いています。

そこでの一コマです。

 

「こりゃ、酷い。ええかぁ、
これは上島コー○ーのカードよ。
そう、U○Cよ。

ウェイトレスの姉ちゃんがの、
カード作りませんか、
作ったら、そりゃ、サービスが
えれぇ付く言うわけよ。

まぁ、そういうことなら、
ちゅうって、1万円入れて作ったわけじゃ」

 

「サービスは良かったんですか?」

 

「まぁ、のぉ……。
おまえは、ちゃちゃ入れんと、
最後まで聞けぇ。

そんでやの、支払いの時、
カードだすじゃない。

それで聞いたわけよ。足らんなったら、
どうすりゃええんかちゅうて、
そしたら、追加はなんぼでも
受ける言うたんじゃ。

じゃったら、10万入れて、
現金が必要になったときには、
換金できるんか、ちゅうて、聞いたら、
出来ん!! ちゅうんじゃ。

受け取った金は絶対に戻さん、
ちゅうて開き直るんよ」

 

「そりゃ酷いですね」

 

「それだけじゃないんじゃ。
それで、こっちがプンプンしとったらの、

1年、何も使わなんだら、
元金ごとなくなるから、
お気を付けください、
ちゅうて、大文句垂れるんじゃ」

 

「えっ!? 元金もですか。
元金もなくなるんですか」

 

「ほうよ。ほれでの、次の日に金融庁に、
おかしかろう?
あの会社、U○Cは潰せぇええ!
ちゅうたら、

おかしゅうない。合法です、
って抜かしあがる。

ふざけとる!
カード作らせるときには、
ああでもない、こうでもない
ちゅうて、こっちの鼻を伸ばさせとって、

ちょっと、おかしかろう? ちゅうたら、
監督官庁ともども、”合法”じゃと。

カードの裏にもちゃんと
但し書きが書いとる、っと。

”1年間未利用の場合、
本カードの使用はできなくなります”

とあるって、大威張りなんじゃ」

 

「それって、私のFBに
記載しても宜しいでしょうか?」

 

「おお、なんぼでもやれ。
こっちもただじゃ引き下がらんけぇの」

 

まぁ、こんな経緯で皆様にご報告
させていただくことになりました。

整理しますと、
○プリペイド―ドは発行会社の
任意の前払い債務である。

○カードは発行会社と消費者の
双務契約であり、
合意内容は自由である。

○契約内容に1年未使用の場合は、
前払い金を含め使用停止になる条項は
有効である。

 

しかしながら、お客さんは
この1年未使用条項を店舗から詳細に
説明を受けているでしょうか?

 

それが、厳格に守られているなら、
プリペイドカードの普及は
ここまで拡がったでしょうか?
 
顧客に不利益になることほど、
事前の説明と納得を頂くべきと考えます。

 

最後に、上記事実から何を学べるのか?

私には、
((ルールを作る側の有利さ))が
顕著に表れている一事例だと強く思います。

 

珈琲会社は、
珈琲会社独自の利益を追求します。

決して、彼らがプリペイドカードを
最初に始めたわけではなく、
むしろ遅いくらいです。

調査してみると、1年未使用での
プリペイドカードの利用停止は
合法であることに気づきます。

 

プリペイドカードの実質は、
債務証書でして、
いつまでも残ると、バランスシートの
債務残高に残り続けることになります。

どこかでケリをつけたい。

切手のように、特別法で
守られていませんから、
債務を永続的に残すのは問題となる。

 

そこで、1年という
区切りを設けたのでしょう。

 

((ルールを作る))
この重要さを、どうかご認識ください。

 

大家さんは、所有する貸家の
ルール作成者です。

立地と、広さは動かせません。

しかしながら、

○どんな間取り
○どんな設備
○いくらの家賃
○礼金・敷金の有無
○フリーレント期間・広告費の有無

以上は、大家さんだけが決定する
専権事項です。

 

どんなに有能で頼りになったとしても、
不動産仲介業者は
参考人でしかないのです。

 

自ら、決定し、自ら実行し、
自ら当事者となる。

 

この事実を、有効に生かしてください。
面倒くさがらず、楽しみながら、
将来を見据えて「今」行動するのです。

皆さんが稼いだお金です。

 

誰かに任せるのではなく、
誰かの意見を丸のみするのではなく、

自ら、判断し、実行し、
結果を見据え修正を図り、
次に繋げてゆく。

 

最初から100%の勝ちなんて
いりません。

70%の勝利で十分。
30%の改善点があってもいい。

 

私たちは業者ではありません。
厳格なバランスシートを提出する先は
ありませんし、文句を言ってくる
株主もいません。

時間を友人とし、
家族を味方にしてゆけば、
超えられぬ丘はありません。

そもそも、業者ではありませんから、
険しい山を越える必要なんてないのです。
重装備など必要なく、軽装でゆけます。

 

そこで大切になるのは、友人です。
なにせ、長い時間です。

1年、2年で大きく変化はしません。
そもそも、じっくりじっくり構えてゆく
心構えを求められるのが
兼業大家さんです。

 

ただ、友人は同じ兼業大家さんを目指す
先輩や同僚でなければなりません。

 

「おれ、大家目指しているんだ」

「だ、大丈夫か?
お前、会社やめるつもり?」

こんな友人だと、話すに話せません。

 

なにせ、この大家さん。
同調してくれる人々は極わずか。

だからこそ、セミナーなどで
多くの方々と話して頂きたいのです。

必ず、見つかります。

皆さんと、話のあうかたは
必ずいらっしゃいます。

藤 山 勇 司

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