大きな夢、小さな夢、
こうなりたい、あれが欲しい
健康になりたい、もっと生きていたい。
今よりも、いい状態
手にしていない品物や魅力的な異性、
そして、目もくらむような大金や
無理だとわかっている願望……。
ふと頭を過ぎり、
ホコリを被った宝箱をそっと開きます。
ところが、
今一度、手にしようとすると、
上司の叱責、かん高い電話の音、
奥様からの「ごはんよぉ~」の
食卓に招く声、
そして、「パパ、何してんの?」
愛らしい幼子の質問に、
宝箱は、再び閉じられ、
ついには、
宝箱がどこにあったのかも忘れてしまい、
右往左往しているうちに、
人生の終わりを迎えてしまいがちです。
時は、無常に過ぎてゆきます。
誰しも、1日は24時間と言うけれど、
本当でしょうか?
もしかすると、
((私だけ、時間の流れが
異常に早いのではないのか?))
努力しているにも関わらず、
事態が一向に好転しない時など、
私たちは俯き、唇をかみしめ、
溜息をつき、酒をくらい、
ふて寝をしてしまいます。
では、どうすればいいのでしょう。
まず、申し上げたいのは、
誰彼に押し付けられた目標は
夢とは申せません。
皆さんの心の内に芽生えた願望こそ、
”夢”です。
強制された物ではなく、
自発的に芽生えたのですから、
皆さんの潜在意識は反対していないのです。
もしも、皆さんの潜在意識が
不可能と判断していたなら、
即座に、拒絶され、苦笑いとともに、
皆さんご自身が否定するはずです。
例えば、
ウルトラマンになる!
海賊王になる!
アメリカ大統領になる!
どれも、無理な話。
子供の頃なら、まだしも、
大人になっても、
抱き続けられる夢ではありません。
夢に近づく方法、
私の独善と独断で申し上げるとするならば、
3つの心構えが必要です。
その3つとは、
1、自信
2、数値
3、フルセンテンスの思考法
です。
1、自信
わかるようで、わからないのが自信です。
自らを信じると書いて、「自信」。
他人を信じる、他人から信じられる、
これは「信用」です。
自信を理解するには、
他人をどう信用するのか、
それを解きほぐせば、はっきりします。
””彼が「できる」と言ったなら、
大丈夫だ””
信用のおける人の評価はだいたい、
こんなところ。
”信用のおける人”とは、嘘がなく、
誠実で約束を守る人物です。
では、自らも、自分自身に対し、
そうなればいい。
決めたこと、己に対して
約束したことは守る。
守れないなら、代替案を出し、
すぐに実行に移す。
言い訳に終始せず、新たな行動で示す。
こうしたアクションを繰り返せば、
自分自身に対しても、安易な約束をせず、
可能なことを、着実に
こなしてゆくようになります。
夢に近づいてゆく人物は、
1日は誰しも24時間しかないことを、
深く理解しています。
ですから、
無責任な発言で周囲を振り回し、
ましてや自分自身からの信用を失う愚行を
慎んでいるのです。
2、数値
その日暮らし、
行きあたりばったり、
当たるも八卦、当たらぬも八卦
の生き方の人々……。
彼らに共通しているのは、
数値を毛嫌いし、感情や憶測で
物事を判断しています。
数値は客観性の象徴です。
請け負った仕事の進捗度も
数値に置き換えれば、
いつまでに出来上がるのか、
このまま、これまでのスピードで
いいのかどうか、理解できます。
ところが、
まだまだ、日にちがある。
最後に、ハチマキしめて頑張れば、
なんとかなる。
などと、根性論や、根拠のない楽観論に
支配されると、
納期に間に合わないか、
品質に問題があるか、
仮に、その仕事が上手くいったとしても、
いずれ、破綻することでしょう。
信用を築くには、長時間かかるものですが、
なくすのは、一瞬であることを
忘れてはなりません。
数値こそ、
信用を維持するには、
欠かせない尺度なのです。
そして、信用なくして夢の実現など、
不可能であることは、
言うまでもありません。
3、フルセンテンスの思考法
日本語は、名詞と形容詞で
成り立つ言語です。
主語は、極限まで制限され、
目的語も無視される傾向があります。
例えば……、
夕食のシーンで
「しょうゆ」と、お父さんが言えば、
醤油さしの近くにいる家族が、
「ふん」と、お父さんに
差し出すのが通常です。
「しょうゆ」は名詞ですし、
「ふん」はオノマトペでは
ないでしょうか。
場の空気を読む。
これは日本人が身に着けるべき
大切な社会行動の一つですけれど、
論理的な思考回路には、向いていません。
そして、もしもご自身の思索の際、
口語と同様に、名詞や形容詞や感嘆詞
(ヤバイ、キモ、ムリ、ナルヨネ、ダサ)
ばかりだと、論理的な思考は不可能です。
論理的な思考でなければ、
客観性は維持できず、
数値と無縁になってしまいます。
皆さんの夢を実現するには、
何が必要なのか、
必要とするお金や人をどのように、
手にしてゆくのか、
第三者に理解できるよう、
効果的に説明しなければなりません。
「いやいや、これヤバイでしょ。
ね、すごくない? お金かして」
これで、貸してくれる金融機関なんて、
ありません。
できれば、普段からフルセンテンス
(完全な文章)で話し、考えること。
そうすると、文章を書く際も、
頭で考えていることを、
そのまま文章にすれば成立するので、
困難な作業ではなく、
楽な作業に変化します。
夢を実現するには、
1、(自信)自らの言動に
責任ある行動を心がけ、
2、(数値)感情ではなく、
数値で物事を判断し、
3、(フル)形容詞や感嘆詞ではなく、
フルセンテンスで話し考える
一気に変えることなど出来ません。
ですから、時間を敵にしてはなりません。
時は、敵にも味方にもなることを
忘れてはなりません。
私たちは、
あわてず あせらず あきらめず
3つの「あ」を胸に
一歩、一歩
歩んでゆけばいいのです。
以上、平成29年度初めの挨拶として
藤 山 勇 司