平成30年7月豪雨……
人的被害は死者209名、心肺停止1名、行方不明者20名
想像を絶する被害でした。
心よりのご冥福と
早急なる復興を願っております。
テレビ報道を見ていますと、
・気象庁の警報の出し方
・国土交通省のダム放水の是非
・政府の対応の迅速性
マスメディアに野党、
そして、各界の専門家が
るる述べていらっしゃいます。
それぞれの意見には
根拠があるのでしょうが、
私には、
「泥縄」
(事が起こってから、あわててその対策に手を付ける様を嘲ること)
の様に思えます。
土地は、
長い時間をかけて動き続けています。
短く解説いたしますと、
〇マントルの動きにより、造山運動から地面が隆起し、峻嶺(しゅんれい)な山ができる。
↓
〇寒暖差や雨水、そして植物の根により岩石は風化を続け崩壊
↓
〇土砂が下流を埋め扇状地(平野)をつくる。
↓
〇人が定着し、河川の管理をする
↓
〇自然の猛威に抗しきれず、
〇河川は決壊……
〇土砂崩れの発生……
〇幹線道路の寸断……
〇水道の断水……
〇排水路の崩壊……
以上が
主な変化です。
「でもさ、
ここ最近さ、
凄くない?
以前もあったけど、
これほどじゃなかったような気がする。
確か広島で、前もあったでしょ。
八木蛇落地悪谷(やぎじゃらくちあしだに)とか
の地名が八木町だかになっていた場所とかさ」
平成26年(2014年)に発せ下広島土砂災害ですね。
犠牲者は77人でした。
なぜ、こうした土砂災害が頻発するのかというと
岩石の風化が一つの原因です。
中国地方の山は
約1億年前の佐川造山運動により出来上がったものであり、
表面の花崗岩は風化し、ボロボロと崩れる真砂土になっているのです。
「かこうがん……
あの硬い石がボロボロになるんだ。
でも、なんで最近多いの?」
それは、偏西風により中国から来るPM2.5が
空気中の湿気と結びつき凝結し
雨粒となります。
雨粒の核が次々と風に乗ってやってくるので、
西日本全体の雨量が上がっているのです。
お隣の国のことであり、
直ぐに排気対策が取られることはないでしょうから
今後も激甚な雨による災害は避けられないものと考えます。
「どうすりゃいいの?」
〇変化した
現状を
ありのまま
受け入れ、
〇無駄と思っても
対応策にお金をかけ、
〇災害が起これば、
復旧に国を挙げて
取り組む。
記述していて、
歯がゆいのですが、
これしか対応策はないものと考えます。
<変化した現状>
西日本には、
中華人民共和国からのPM2.5の流入により
激甚な大雨は起き続ける。
<対応策>
河川流量は通常の1000倍から
3000倍の流量になることを想定した
対応策を考え、予算付けをして、
国民的合意を取り付ける。
<復旧策>
激甚災害は、
個々人もしくは罹災した市区町村単独で
対応は不可能であることを前提に
国の全面支援を基本とし、
毎年の予算を計上してゆく。
掛け声だけでは、
土砂一つ動かすことはできません、
ボランティアの皆さんに期待はしても
充てにするべきではありません。
彼らにも日常の生活があり、
守るべき家族がいるのです。
予算計上……
四角四面で
お役所的言葉のように思われるでしょうが、
この
<予算>
がなければ、何も動かない。
このことを
どうか
ご理解願いたい。
そして、
災害も
誰かの責任や対応に避難を浴びせるのではなく
〇現状をありのままに受けとめ
〇対応策を考え
〇発生後の措置を十分に練り上げる
ことこそ、
通常生活の中で行うべきことだと考えます。
とかく、
喉元を過ぎれば、熱さを忘れてしまいます。
予算を削りすぎると、
対応策など
何もできないのです。
「なるほどね。
て、ことは
関東は
あんまり関係ないんだ」
いえ、
そうとも言い切れません。
「なんで?
バケツをぶちまけたような
雨は降らないんでしょ」
と、申しますのも
〇江戸川
〇隅田川
〇中川
〇荒川
など、
関東平野を流れる河川は
いずれも天井川だからです。
「て、てんじょうがわ?
どういうこと?」
天井の高さを超える高さで流れる川と書いて、
天井川です。
そもそも、
風化した山の岩石が洪水で土石流となり、
海に流れ込んで形成された大地が
扇状地です。
扇状地は関東平野をつくり
濃尾平野と作り、
海に面した各地方都市は
洪水の果てに生み出された
大地です。
「でも、
今は洪水なんてないじゃない」
そう、
それゆえ、
川床には
本来平野をつくる土砂が溜まり、
川床を高くする。
↓
堤防が低くなると堤防を嵩上げする。
↓
気づくと堤防が天井を超えている。
このような経緯を辿り
天井川は年々高くなっているわけです。
いったい、
いつまで続けるのか、
仮に100mの天井川まで……
私からすると、
河川の浚渫は時間とお金がかかりすぎるので、
河川の下に巨大な暗渠(トンネル)を作り、
流量が大幅増加した場合は、
暗渠からも河川の水を流す仕組みを作り上げるべきだと考えます。
まぁ、
これも莫大な予算を必要としますから
国民的なコンセンサスが不可欠ですが。
「じゃ、どこもかしこも
危険な場所ばかりじゃない。
不動産なんて買ってる場合じゃないでしょ」
リスクがゼロの場所なんて
ありません。
どの場所であっても
危険はある。
しかしながら、
災害に罹災する危険性は事前に調査できます。
国土交通省は
阪神淡路大震災から以降、
ハザードマップを緻密に作り上げています。
問題は、
こうした資料を
しっかりと活用するかどうかです。
よく、
文句だけ口にする方々は、
「ぜんぜん知らなかった」
「聞いたこともない」
「ちゃんと知らせてくれないと、
ダメじゃない」
と、
自ら調査していなかった事実を
他人の責任とし、
進歩がありません。
そうではなく、
「市区町村名 ハザードマップ」
で検索し、
購入対象の場所が
危険なのかどうか
を理解した上で判断なさってください。
ちなみに、
私は、
土砂災害が
予想される物件は一切購入していません。
なぜなら、
建物は土砂崩壊や土砂流入に
極めて脆弱であり、
対応できないからです。
そして、
仮に、段差のある物件を
検討する場合であっても
地山が堅固な
物件しかリストアップしません。
以上、
ご参考にして頂ければ、
幸いです。
藤山 勇司
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