個人崇拝と連鎖概念

星新一と言う作家をご存知でしょうか?
『知ってる!』
そうお答えになる方は、
50代以降の方か、小説をこよなく愛していらっしゃる方でしょう。

直木賞や日本推理作家協会賞の候補になったことはあるものの、受賞は逃したまま……
芥川賞には候補者にもなれず、
唯一もらったのは、死後の平成10年に遺族が受け取った
第19回の日本SF大賞特別賞だけ。
文学賞には、ほとほと縁のない作家でした。

しかしながら、
一人だけ、好きな作家を上げてみて?
そう言われると、
星新一氏の名前は、不思議なことに
いつも上位に来るものです。

かく言う私も、彼が書き上げた1001篇の作品の内、
おそらく、900以上は読破しているほどのフリークです。
今でも、眠りに落ちる間際、枕元にページが開いていたりします。

 

「ねぇ、1001って言った?
 100の間違いじゃないの」

 

いいえ、本当に1001話です。
星さんの作品の大半は、
ショート・ショート。

原稿用紙にすると5枚前後、
文字数2000文字です。
圧縮された作品の中に
自らのアイデアを特定の地名や
金額など、通俗性を限りなく排除した
珠玉の作品ばかりです。

だからでしょうか、
50年前の作品であっても
今も読みごたえがあり、
本屋さんに行けば、
単行本の何冊かは棚にあります。

皆さんも、
時間があれば、是非ご一読されてはどうでしょう?

そんな星さんの作品の中で、
作品名は失念してしまいましたが、
こんな内容のショート・ショートがありました。

 

主人公はY氏の友人のN氏。
星新一の作品の主人公に多く出てくるのは
なんと、アルファベットです。
しかもAやZにGなど、個性の強い文字ではなく、
NやYなど、存在感の薄い物ばかりです。

 

「へぇ~そうなんだ。それで、どんな内容だったの?」

 

学生時代、社交的なN氏は、
少し変わったY氏と言葉を交わす間柄でした。

Y氏の人と変わったところは、
(世界は自分の夢だ。だから自分が死ぬときには世界も終わる……)
そうした妄想とも言うべき固い信念を抱いていました。

Y氏が生まれた時に万物の全ては一瞬の内に出来上がった。
これを否定することは、誰にもできない。
記憶も歴史も、全て一瞬……
社交的なN氏はY氏の話を頭から否定せず、
適当に相槌を打ちながら、学生時代を過ごしていました。

そんなN氏の元に、
ふいにY氏から電話がありました。

「ひさしぶりだな。どうした? 楽しんでるか?」
「あいかわらず、能天気な奴だな。
 ボクは今日、医者からさ余命3か月と聞かされたんだ」
「えっ!?……」
「この意味、君ならわかるよね。
 じゃ、楽しんで」

それだけ、言い残すと、
Y氏の電話は切れました。
N氏は呆然自失……
なぜなら、Y氏の今の職業は、核ミサイルの発射管理人だったからです。
これだけ。
記憶の断片をかいつまみ記述しましたから、
全てを記述できたわけではありません。
 
しかしながら、
全部を記載したとしても
文量は3倍、多くても5倍を超えることはありません。
作品の終わり方も
核爆弾の悲劇が描写されているわけでもない。
N氏が途方に暮れている様子を記述して終わりです。

いかがだったでしょう?

 

「いかがって、
 何だか消化不良だね。
 落ちがついているようで、
 どこか、抜けているって言うか、
 でも、記憶には残るよね」

 
 
そう、
多くの作品には
明解なオチがついているのですが、
この作品は、気持ち悪さをオチとしています。
私が見るところ、
気持ちの悪さの核心は
Y氏の行き過ぎた個人崇拝。
 
他人の気持ちなど、どこ吹く風。
自分さえ良ければ、それでいい。
自分が死ぬなら、世界も終わる。
世界を終わらせる具体的手段を確保するために
核ミサイルの発射管理人に潜り込む。

その執念と実行力……
ここに、どす黒い妄念と
言い知れぬ不安を覚えてしまう。。。

 

翻って、現代。
Y氏と似たような方の
なんと多いことか。
 ・各国の独裁者
 ・汚職や特別背任で捕まるカリスマ経営者
 ・殺人や強盗など凶悪犯

他人の痛みや文明の恩恵を
顧みることなく
自分のみに価値を置く、
醜悪な人々……

 

「なんで?
 自分に優しいのは、
 そんな悪いことかな?
 誰もが自分が一番
 大切なのは一緒でしょ。
 それを、
 『醜悪』って、
 言いすぎじゃない?」

 

個人崇拝、
それが、
独裁者に向けられる
カリスマ経営者への物

はたまた
自分自身を最上位に置く概念で
あったとしても
決定的に大切なパーツが抜けています。

 

「大切なパーツ……
 それって、何?」

  

『連鎖概念』です。

 

万物は、
一つとして
独立して存在していません。

物理的な概念から申せば、
私達は星、超新星爆発の後継者でもあります。

 

「またまた、妙なことを言い出したね。
 なんで、オイラが超新星と関係しているのさ?
 いい加減なことを言うものじゃないよ」

 

妙なことでしょうが、事実です。
137億年前の
ビッグ・バン時、その直後に存在したのは水素のみ。

その後、
集積し巨大な水素の塊が自重で超高圧高音となり核融合を開始。
質量の大きな星は超新星爆発を繰り返し、
その結果、
誕生したのが酸素や炭素や鉄やカルシウム。
私達の体を構成しているすべては宇宙と連鎖しているのです。

そして、37億年前、
原始の地球に生命が誕生し、
一つの鎖も途切れることなく、
今に、繋がっているからこそ、
私達が今、存在しています。

RNAのみのアミノ酸から単細胞生物の菌が誕生し、
その後ゾウリムシのような原生動物となり、
水生生物、両生類、そしてネズミのような小型の哺乳類
恐竜が闊歩する白亜紀にも鎖を切ることなく
次世代に繋ぎ、
ユカタン半島に落下した隕石衝突も生き抜き、
類人猿から人に進化し、
何度も繰り返された飢饉や天災や戦火を生き抜き、
次世代に繋ぎ、
そして、
この世に
顔を出したのが、
私であり、皆さまです。

 

どの時代、
どの場面で、
ご先祖様が
たまさか、
命の連鎖を途絶えさせたなら、
私達は存在していません。

個人崇拝は、
そうした連鎖概念と真逆の位置にある。
そう思います。

今が良ければ、明日のことなどケセラセラ。
そりゃそうでしょう。
他人が顔をしかめたとしても、
自分が痛いわけじゃない。
その通りです。

 

しかしながら、
自分は単独で存在はしていないし、存在し続けられない。
その事実に、いささかの変化もありません。

・独裁者は、
 自らを支える人民や部下がいるからこそ、
 存在できることを知るべきです。

・カリスマ経営者は、
 従業員や取引先や顧客がいるからこそ、
 胸を張れることを認識するべきです。

 そして、

・犯罪者は、
 被害者にも、犯罪者と同様に家族がいることに
 目を向けてもらいたい。
 自らを含め、
 個人はドットではなく、ラインの一部です。
 現在はラインの先端であるに過ぎない。

こうした連鎖の概念に想いを
馳せて頂きたい。

 

「なんか、それって
 子供を生めっ! て、ことを
 遠回しに言ってる?
 もしそうならさ、
 子供を生めない人もいるんだから、
 差別じゃない?

 今はさ、
 LGBTも結婚できる
 個人尊重の時代ですよ」

 

性別意識と実際の性別に悩む
人の割合が5%~10%
いらっしゃることは存じています。

ですが、
人類には、遺伝子と別に
引き継げる存在があります。

 

 
「遺伝子と別って、何?」

 

“文明”です。
近いところで言えば、
皆さんが本業で、
新人や後輩に教える仕事です。

こうした
切磋琢磨した技術の
前進こそ、
豊かな文明社会を
形造ってきました。

音楽、レジャー、そして文学、
生存に必要不可欠な要素ではありません。

しかしながら、
人生を意味あるもの、
豊かに、意義深い物にする
必要な宝玉です。

 

冒頭、
引き合いに出した、
核ミサイルの発射管理人とは
比較になりません。

この世に
存在を許された貴重な機会です。
子供や同僚や社会に
引き継いでゆく。

この意思こそ、
第一義に据えるべき
連鎖概念だと考えます。

 

では、
不動産の観点から見るとどうでしょう?

 

★個人崇拝を尊ぶ方は
  ・所有者は万能
  ・高くなれば売却して利益を得る
  ・大規模修繕は買い手に丸投げ

と、
まるで
不動産を物のように
扱っていらっしゃる。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ。
 不動産は
 完全に物でしょ。
 意思があるって思っているの?」

 

不動産は人ではありませんから、
自由闊達な意思表示はできませんが、
それに近い存在ではないかと考えています。

なぜなら、
不動産は、過去から存在し続け
未来も存在し続ける永遠の存在。

特に、土地はそうです。
建物にしても法隆寺の創建元年は
推古15年(西暦607年)ですから、
齢1412年! 神レベルです。

言うまでもない、
当たり前の事実ですが、
不動産所有者が
所有者だと胸を張れるのは、
生きている間のみ。

仮に30歳で購入したとして、
100歳まで生きても70年間のみ
法隆寺の20分の1に過ぎません。

所有者の看板が次々と変わる中、
不動産はそんなことにお構いなく、
デンと存在し続けているのです。

だからこその、『貸家主義』です。

 

貸家主義とは
 〇貸家の意義を認め
 〇貸家の価値を高め
 〇貸家と共に生きてゆく
連鎖概念であり、出口戦略と真逆の考え方です。
 
 

私の齢は56歳です。
尊敬する星新一さんが
逝去された年齢は71歳……
文学界の晴れやかな舞台に
一度も上がることなく、
時代を超えた作品を
1001編、残されました。

私に残された時間。
それは神のみぞ知るものです。
仮に、
星新一さんの逝去までの時間が
あったとして、残り15年。
今年、大学生となった次女が3歳から
今までの時間……
すべてを思いだせるほど、
わずかな時です。

ただ……
「ただ何?」
貴重だからこそ、
慈しみ、
思いを込めて
引き継いでゆきたい。

 “”貸家主義に幸あれ!“”

平成最後の桃の花咲く頃に
 

  藤 山 勇 司 
 

 
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