「魂は歳をとらない」
令和３年が走り切ろうとしています。
「へぇ～ ”れ・い・わ”か。。。
令和ね。どんな意味があるんだろ？」
元号が変わった当初、
どうにも、違和感満載！
・平成のままでも良かっただろ
・西暦で良くねぇ？
・もっと、他のはなかったのかよ
いやはや、
異論、争論に満ち溢れていました。
石の上にも三年と申しますが、
令和も３年を過ぎる頃になると、
しっくりくるから不思議です。
元号が変わった当初、
私は、子供たちや若手スタッフに
「おめぇら平成生まれから見るとさ、
昭和生まれのおいらたちは、
おじさん や おばさん だろ。
いやいや、
そんなこと思っていないってのは
いいんだよ。
その通りなんだから、
けどな、
おめぇらも、
あと、２０年もしたらよ、
『へぇ～平成生まれですか』
って、上から見下ろされる瞬間が
やってくるんだからな。
覚悟しとけよ」
と、負け惜しみを申しておりました。
ここ１年、
様々なことが起こりました。
☆緊急事態宣言が列島に発令され
☆マスクとワクチン接種が常態化し
☆オリンピック中止を求める向かい風のなか
☆ＴＯＫＹＯオリンピックが開催され
☆菅さんが突如辞任し、衆議院選挙が強行され
☆中国台湾の緊張は高まり
そして、
”Ｍー１グランプリ２０２１”が１２月１９日に開催されました。
「ちょ、ちょ待てよ。
並び順おかしくねぇ？
なんで、漫才コンペがさ
令和３年の重大ニュースに同列に並ぶんだよ」
私は、
マイク一本で、
悲しみに暮れている人を爆笑に
引きずり込む話芸である
漫才をことさらリスペクトしています。
もちろん、
落語、講談も同様に尊敬しておりますが、
昭和に庶民の間から生まれた
肩ひじ張らず楽しめる
「マンザイ」は、別格！
彼らの話の展開、前振りと回収の順番などなど
日々、学びの対象です。
「なるほどね、
けどさ、やっぱ、Ｍー１をさ、
令和３年の重大ニュースに入れるのはナシでしょ。
取り上げるほどでもなかったでしょ。
どうせ、吉本の芸人が優勝したんでしょ。
そもそも、Ｍ－１って、吉本興業が
漫才人気を復活させるために、
無理くり、始めたんだから」
確かに、
Ｍー１を構想したのは、吉本興業であり、
優勝賞金を破格の１０００万円のアイデアを出し、
参加条件に所属事務所フリーにしたのは
暴力団問題で引退された島田紳助さんでした。
事実、Ｍー１は２００１年に始まり、
紳助さんの暴力団との交際問題が噂された２０１０年にいったん終了。
復活したのは、２０１５年からでした。
さらに申し上げますと、
歴代優勝者に吉本興業所属漫才師が多いのは事実ですけれど、
２００７年の優勝者は
私の好きな漫才師 グレープカンパニー所属の
「サンドウィッチマン」さんです。
そして、
なんと、令和３年、
第１７回 「Ｍー１グランプリ２０２１」の優勝者は、
ソニー・ミュージックアーティスツ（ＳＭＡ）所属の
『錦鯉』さんでした。
「あぁ、知ってる
丸禿の奥歯のないおっさんが
”こんにちはぁああ～”
って、叫んでさ、
漫才師らしくない、
まるで、サラリーマンかマネージャーっぽい
チビが後ろからバチバチ
丸禿頭を叩くコンビだろ。
あいつらのどこがおもしろいの？」
昨年から研鑽を積まれたのでしょう。
腕を上げられました。
錦鯉さんは、
第１７回のＭー１優勝者の中で
サンドイッチマンさんに続く
吉本興業所属以外の２組目です。
「へぇ～、
そうなんだ。
で、どんなネタをやったの？」
決勝で披露したのは、
５０歳の長谷川さんが２０代の女の子と合コンをするシチュエーションでした。
ジェネレーションギャップをこれでもかと、舞台の上で演じ、
４３歳の相方渡辺さんは、テンポよくつっこみ、爆笑の渦を巻き起こしていました。
当初、期待していませんでした。
すでに人気者になっているのに、
Ｍー１に臨んだ「ハライチ」さんの芸風を変えた試みには驚きましたし、
インディアンスさんの秒速で展開するボケには驚嘆しました。
特に、目を引いたのは、オズワルドさんの摩訶不思議な世界観！
こんな話の展開が成立するのか、心の奥底にメモを取ったほどです。
私自身、
「錦鯉」さんに大笑いしながら、
”なんで、こんな自虐ネタで笑っているんだろ？”
と、不思議に思ったほどです。
決勝に進んだのは
摩訶不思議な世界観漫才の「オズワルド」
光速のボケ漫才「インディアンス」
おバカ漫才の「錦鯉」
の３組です。
この時点で、
「オズワルド」さんの優勝は決まったと、思っていました。
それは、
多くの視聴者も
そうだったのではないかと推察いたします。
ところが、
第２組目の「錦鯉」さんのネタは
破壊的でした。
私自身、腹がよじれるほど笑いました。
５０歳の長谷川さんが街に逃げ出したサルを捕まえるという
設定の漫才なのですが、
全身全霊でおバカを演じる彼の姿に、
ただただ、笑った。
令和３年に起こった出来事なんて
もう、笑い飛んでしまいました。
最終決戦は７組の審査委員の入れ札で決まります。
それぞれの審査委員が３組の中で誰が一番優勝者に相応しいかを
選ぶのです。
結果、
錦鯉は５札
オズワルドとインディアンスはそれぞれ１札。
圧倒的大差で、
吉本興業所属ではない、錦鯉さんが優勝者となりました。
５０歳の長谷川さんは、相方の渡辺さんと抱き合いながら、
（原文のまま）
「諦めないでやってきて良かった。
僕はラストイヤーが５６歳だったので、
今年で決められてよかった」
と、ひとボケをかましていらっしゃいました。
この姿を見た審査員のサンドウィッチマンの富沢さん・ナイツの塙さん
お二人は、もらい泣きをされていました。
その後、
優勝記者会見の中で記者から今後の目標を尋ねられた長谷川さんは
（原文のまま）
「僕は何事もスタートが遅いんですよね。
自分のせいで、ズレてズレて時間がかかっちゃったのもあると思う」
「ただですね、
ダウンタウンの松本人志さんの言葉で大好きな言葉がありまして。
『魂は歳をとらない』
という言葉があるんですけどね。
その言葉が僕大好きで、
おっさんだからとか若造だからとか
男だから女だからとか色々言いようがあるじゃないですか。
そういうことじゃなくて、
『頑張ろう』っていう気持ちで。
５０歳超えても体が動かなくなっても、
言葉とかで補いながらやっていきたいですね」
痺れました。
全身を雷で撃たれたような衝撃でした。
☆魂は歳をとらない☆
予想だにしない
極上の一品を
献上していただいたのは、
島田紳助さんの
後を引き継いだ、
ダウンタウンの松本人志さん。
（やっぱ、漫才は奥が深いわ。
哲学も学べるとは思わなんだ）
「Ｍー１グランプリ２０２１」を
令和３年の重大ニュースに入れようと思った瞬間でした。
令和３年をシミジミと振り返りながら
藤 山 勇 司
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