うた、唱、詩、歌、唄

 
こんにちは、藤山勇司です。

言語の始まりは、
いったい何だったのか……
   
ふと、思い浮かぶことがございます。

 

 

一説には

唸り、吠えや、痛み

確かに、危険を知らせたり
集合を掛ける際の遠吠え。

犬や猫の威嚇や
争いの様子を窺えば、
合点がゆきます。

  

ただ……
  

「ただ、何?」

 

どうも、違う。

 

人と似通った知能を持つ
イルカやクジラ、

彼らが怒鳴ったり、威嚇したりした場面を
寡聞にして見聞きした覚えはありません。

  

思い浮かぶのは
ゆったりとした
リズムに乗ったメロディに近いもの。

  

ここからは、
私の独善と独断なのですが、

言語は音楽と同じ時期、

もしかすると、
単調なリズムしかなかったのかもしれませんが、

音楽の方が先に来て、
そこに言葉が生まれて多様化し、

通常会話では、
リズムを取り払い、

言葉のみとなったのではないか……
そう思えるのです。

  

実際、
幼子は、
そろいもそろって音に敏感で

音楽を耳にすると、
身体を揺らしたり、笑ったり、

とにもかくにも楽しそうにしています。

かく言う私も
特定の楽器に精通しているわけでもないのに、
作詞だけでなく作曲もたしなんでいます。

  
事実、
「線路」という自費出版のCDも作成し、
縁ある方々にお配りしています。

もしかすると、
こうして読んで下さる皆さんの中にも
自宅の片隅にホコリをかぶったままの
「線路」が佇んでいるのではないでしょうか。

もしそうなら、
後生ですから、
一度でいい。

音を出してあげていただきたい。

  

なぜなら、
そのCD、
音を出すためにこの世に誕生したからです。

いずれ、
廃棄され
ケムリとなるのでしょうが、
その前に音を奏でることができれば、
本望だと思うのです。

  
「ふ~ん。CD出したことあるんだ。
 なんで作ったの?」
  

呉の飲み屋街に近い雰囲気があるからでしょうか、
新宿のゴールデン街、
私には肌があい、
良く足を運びます。
 
CDを出したきっかけは、
そこで仲良くなったミュージシャンにおだてられたから……、ですかね。

  
「おだてられたら、CD出すって、おかしいでしょ」
 

そう、
そうですよね。
 
まぁ、ある夜、
酔っぱらって、一軒、また一軒と飲み歩いていて、

どうにも、
馬の会う若者と、
人生談義をしていて、
散々ご馳走したんですね。

そしたら、

「ボクの知ってる店にいきませんか。
 ギター弾けるんで、唄いましょう」

と、
来たもんですから、
いそいそとついて行ったのです。

  
そこで、
レパートリーの

「酒と男と涙と女」
「大阪で生まれた女」
「東京」
「トンボ」
「乾杯」

……
を気持ちよくが鳴っていたら、
やんやの拍手!

  
気が大きくなっていたのか、
  

””おいらはな、
 歌うだけじゃない。
 作曲だってできるんだぁ!””

と、言わないでもいいことを言っちゃたんですね。

  
そしたら、
聞かせて欲しいとキタぁー!!

そこで、
今度のハワイ旅行から帰ってきたら、
聞かせてやるから、
待ってろぉお!
 
と宣言してしまいまして、

6年前の夏に
悪戦苦闘して

1日1曲ノルマを自らに課して、
出来上がった中の1曲が
「線路」です。

  
一言で言えば、
サラリーマンへの応援ソングでして
ジャンルで言えば、Jポップ!

彼によれば、
メジャーデビューも夢じゃないと
TUTAYAでも売り出したんです。

  
「へぇ~すごいじゃない。
 売れたの?」

  
最初は6店舗、
2週間で300枚売れれば、
関東全域で売ろうという話でして、

10日で400枚を超えて、
これで関東全域は確保、

すこしすれば、全国になるだろうし、
ヒット間違いなしと
1万枚作成したのです。

  
鼻息荒かったですね。

子供たちには

  
「パパはな、12月31日に家にはいない」

「どこいくの?」

「あそこだぁあ!」

  
なんて、ブラウン管のテレビを指さしていたのですから(ハッハ……)。

  
「でもさ、聞いたことないよ。
 ”線路”なんて、
 ♪せーんろはつづくよ。どこまでもぉ~♪
 は、知ってるけど」

  
ええ、そうでしょうとも。

メジャーデビューどころか、
TYTAYAでの関東全域販売もナシになったのですから(ぐすん)……

  
「え……、なんで?」
 

クレームが酷かったんです。

 〇なんで、講演会の内容が入っていないんだ(読者の方から)
 〇1050円なのに、一曲しか入ってないぞ(音楽ファンの方から)

その結果、当然ですけれど、
TUTAYAさんは
全部お引き取りをと、にべもなく、
1万枚が自宅に届きました。

まぁ、山ですよ。
山、

CDの重さは130gくらいでして、
1万枚になると1300キロ!!

1トン超えるんですから、

グランドピアノ5台分ですからね。

泣けてきました。

マンション裏手の倉庫の2階に運びあげるときの辛いこと、
悲しいことと、いったらありませんでした。
 
そんな時に、
運よくというか、悪くというか
子供が学校から帰ってくるんですよ。

  
「パパ、紅白でるんでしょ。友達に言っちゃったぁあ!」
  

って、

私は、
力なく、

  
「ああ、あれな。なしになったぁ……」
  

消え入るような声で言ったものです。

  
あれから6年、
配りに配って5500枚。
在庫は4500枚となりました。

業界では、隠れた小ヒットと呼ばれており、
amazonプライムでは724円で売られています。

お渡した皆さんの中から
出品されているのでしょう。
 
  
「もう、歌謡曲はこりごりでしょ」
  

いやいや、
 それがそれは、
   面白いところでして、

歌手の歌には力がある。

痛い目を見たにもかかわらず、未だにそう思っています。
 
 
 
そして、
人それぞれの感性に合った楽曲や歌い人はいるものだと思う今日この頃です。

  
「誰かいたの?」
  

テレビ東京の
「THW カラオケ☆バトル」
で見た

平成のおんなギター流し
 ” お か ゆ ”

という方です。

  

雑草そのものの彼女の今後の活躍を期待したい。

そして、
もし、

機会があれば、
私の「線路」をはじめとした楽曲を歌って頂きたい。

夢は、
自ら見るだけのものではなく、
繋ぐものでもある。

そう思っています。

  
藤 山 勇 司

  

  

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