ハロウィンと貸家

 

今夜はハロウィン。

ご存じでしょうが、
ハロウィンは古代ケルト人が起源とされる、
秋の収穫を祝い、悪霊を追い払う宗教色の強い行事です。

 

今宵の渋谷のスクランブル交差点は
大変な騒ぎになることでしょう。

 

その様子は、明日の朝、
ニュース番組で垣間見ることいたします。

 

ところで……

 

ハロウィンの起源をお創りになった、
ケルト人ってどんな方々なのでしょうか?

 

実は、中央アジアの草原で暮らしていた人々。

 

馬と車輪付きの馬車に乗り、
ヨーロッパにトライした
インド・ヨーロッパ語派の民族でして
古代ローマ人からはガリア人と呼ばれていました。

 

では、私たちは日本人はどうでしょう?

 

縄文、弥生と時代を重ね、
多くの渡来人とも混血しつつ
単一民族を作り上げてきました。

 

この単一民族の概念ですが、共通の言葉を話すこと。

 

北は北海道から南は沖縄、
離島であっても東北の山奥であっても、
訛りはありながらも、意思を通じ合わせることができます。

 

日本では当たり前のことであっても、
世界を見渡すと、
かなり限られたことであることが分かります。

 

ところが、こうした永い永い伝統が
徐々に変化しようとしています。

 

インターネットの普及、労働市場の開放、
グローバルスタンダードなど、
非関税障壁にも似た、
外国人定住への壁が崩されようとしているのです。

 

「だから何?」

 

中学校から学んでいた英語、
今では小学校の高学年から……。

ご存知ですか?

 

それに、日本の英語の教師の学力、

「ジス イズ ア ペン」

まさに、
カタカナ英語教師を駆逐する流れになっています。

 

確かに、半数を超える教師の英語力が
準1級に満たないのは問題ですが、
そこまで、しなけりゃいけないものでしょうか。

 

日本で生まれ、日本で暮らし、日本で暮らし行く。

こうした人々が90%以上の日本という国柄。

 

そこに、母国語が固まらない内に、
英語を学んでいいものかどうか。

 

私には、納得できません。

 

英語を必要とする職業の人々は、
徹底的にやればいい。

 

無論、
フランス語やスペイン語、中国語、
必要に応じて教育制度を設けても構わない。

 

ただ、英語を、
人生で必要としない、
一般の人々にまで強制するのはどうかと思うのです。

 

しかしながら、
一度方向性の決まった社会の流れは
容易に変化することはないでしょう。

 

英語教師は数年に一度の検定試験にビクビクし、
生徒は、
日本語よりも英語力の出来に一喜一憂するようになる。

 

所詮言語です。

 

アメリカじゃ、
アホウもホームレスも英語をしゃべっているのです。

 

勉強と思うから、敷居が高くなるのでは?

 

そう思いながらも、
毎日のように、
英語単語集とイディオムを捲り続けています。

 

どうしてかって?
 
 

そりゃ、そんな英語が溢れかえった世の中になったとしても、
大きな顔をして、街中を歩いていたいからです(笑)

50の手習いとは、このことかと冷や汗を流しています。

さて、そうした世の中の変化を踏まえた
大家さん戦略は、どうあるべきでしょう?

 

最初にお話しした
ハロウィンの起源であるケルト人を頭に思い浮かべてください。

彼らは、
好んで中央アジアの草原から移動したのではありません。

飢饉、戦争、迫害……。

多くの困難に苛まれ、やむにやまれず故郷を離れました。

 

そんな彼らの心の支えとなったのは、
一年に一度の収穫祭である、ハロウィンだったのでしょう。

かぼちゃをくりぬき、仮装をし、夜の街を練り歩く。

日常ではない非日常にストレスを発散し、
普通の生活に戻ってゆく。

今のケルト人は、ずばり難民……。

故郷に住めなくなった、
安全ではなくなった、夢をつむげなくなった。

様々な理由で、故郷を離れ、
異国の地に活路を見出そうとしています。

 

恐らく、どんなに拒否しようとも、
徐々に、
外国人は、様々な理由をもうけて、
日本に流れ込み、
3年~5年で永住権を獲得することになるでしょう。

 

政府も、
生産人口の低下を理由に、
TPPを建前として、人道支援を錦の御旗に、
異国で生まれた人々を招き入れることになる。

 

そうした事態を願っているわけではありません。

しかしながら、
未来の予測は、主観や理想を排除し、
ファクトを前提として考えなければならないのです。

これまでの大家さんに、英語力は必要ありませんでした。

 

しかしながら、今後の大家さん。

特に大都市や首都圏に貸家をお持ちの大家さんは、

せめて、翻訳機能の使い方程度は
熟知する必要があるのではないでしょうか。

 

老婆心ながら……。

そんな私といえば、

一枚、また一枚、

単語帳とイディオムの参考書を捲っています。

 

冷たい視線を家族から浴びつつ。

藤 山 勇 司

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