お金……
経済的な用語ですと、
「貨幣、キャッシュ、マネー」
文学的に申しますと、
「銭、おあし、先立つ物」
反社会的界隈では
「実弾、現ナマ、玉」でしょうか。
いずれにしても、
お金、
あらゆる業界で通じる
”現金”
は、注目の的……
だからこそ、様々な表現の仕方が存在するのだと存じます。
「現金って、
いいよね。
使っても、使ってもさ、
ぜんぜん減らない魔法の財布なんて
あったら、いいなぁ~」
なるほど、
では、仮に
朝、目覚めたら、
カラの財布に千円札が100枚、ギッシリ詰まっていて
眠る寸前までにスッカラカンにしなければ、
再び千円札は補充されない
魔法の長財布があったとしたら、
欲しいとお感じになりますか?
「なんで、千円札……
ま、いいか。
千円札が百枚なら、
幾らだ?
えっと、
10万円!
楽勝でしょ。
一カ月で300万円だぁああ」
ただし、
ギャンブルや再販売できる
クルマや高級時計や金などは
スッカラカンの定義にあてはまりませんから
長財布に千円札が補充されることはありません。
クルマに乗りたいなら
レンタルであればオーケーです。
「ぜんぜん、
いいでしょ。
フレンチ料理とかさ、
久兵衛のお寿司だっていいし、
キャバクラにも通い放題でしょ。
もうね、
仕事なんてバカらしくて
やってられない。
遊んで
遊んで
遊びまくりますよ。
なんなら、
千円札じゃなくて
諭吉が百枚の
長財布でも大丈夫ですよ」
お、恐ろしいことを
仰いますね。
1日100万円ですよ。
いったいどうやって
使い切るのでしょうか。
1日24時間の内、
8時間寝るとして、16時間です。
100万円を16時間で割ると
な、なんとぉおお!
6万2500円です。
久兵衛のお寿司が高いと言っても、
5万円前後、
48分で食べ終わらなければ、
ノルマである
1時間6万2500円は使い切れません。
さらに申し上げれば、
それを、起きている間、
ずっとやり続けないと
なりません。
おそらく、一カ月と持たないことでしょう。
「う~ん、
そっかぁ……
だったら、
千円札でいいや」
では、10万円を
いかにして使い切るか……
一日5万円の超高級ホテルに宿泊
残った5万円で、ゴルフやクルマを乗り回す。
恒常的に使用するとしたら、
こんな生活になるのではないでしょうか。
「いいじゃない。
5万円の高級ホテルだったら、
飯もうまいだろうし、
寝心地も最高!
掃除も洗濯も
しないでいい
ラクラク、
極楽、
夢の人生でしょ。
ね、
その、
魔法の長財布は
どこにあるの?
どうやったら手に入るの?」
魔法の長財布は
お金に不自由しない象徴ですから
手に入れる手段は
〇企業
〇投資
〇発明
などなど、様々です。
「なんだ、
象徴かぁ……
腹の足しにもならないな。
真剣に聞いて損した」
申し上げたいのは
浪費にも限界があるという
紛れもない事実です。
人には身体は1つしかありません。
ですから、
人の2倍食べ、
人の2倍飲む
生活を続けると
間違いなく
内臓を壊し、
人と同じ食事を摂ることはできなくなります。
そして、
人には家庭は1つしかありません。
ですから、
愛人宅など
人の2倍の家庭を擁すると、
本宅は壊れ、
子供と引き離され、
孤独な最期を迎えることになります。
「な、なんか
気が滅入ってきたなぁ。
儲けても、
ワクワクするような未来はないんだね」
浪費には
確実に限界が存在します。
ただ……
「ただ、何?
限界がないことでもあるの?」
ございます。
限界のない無限の
空間は
〇考え方
〇視点
〇時間軸
を変えると
恐ろしいほどの広がりを見せてくれます。
その秘訣は、
「個人、私心、小欲」
から、
なるべく
距離を取ることです。
「どういうこと?」
回りを見渡してみてください。
☆生活インフラとしての
電気、水道、下水、ガス
☆交通手段としての
自転車、自動車、バイク、鉄道、飛行機
☆通信手段としての
電話、携帯、パソコン、
その他にも
医療技術、衣服、食事関係
などなど
忘れてはならないのは、
こうして意思を伝達する言語も
私達が
独自に発展させたものは
砂浜の中の一粒程度しかありません。
99.99999……%の
その他は、
先人や第三者の努力により
成り立っています。
お金は、
そうした卓越した技術を
利用するための
記号でしかありません。
「ふ~ん、
ま、
そう見えなくもないよね。
で、何が言いたいの?」
私達も
1人1人が
引き継ぎ、
発展させてゆく
文化の担い手であることを
意識する。
その視点を
持てば、
限りある命に囚われることなく
小欲にまみれた欲望に足を引っ張られることなく、
無限の領域に足を踏み出すことができる。
そう考えています。
私が文化として
昇華できるかもしれない領域は
たった一つ。
そう、
「貸家業」
です。
徒手空拳である
サラリーマンを
経済的に独立した
事業規模の大家さんに
成長させる手段は
確立しました。
「ん、なこと言ってさ、
どうせ、
・いい物件があるから買いませんか、仲介しますよ。
・特別な物件をお売りしますよ。
・管理を引き受けますから、安心ですよ。
とか、
なんとか言って、
お金を巻き上げるんでしょ」
わかります。
そうした
不動産業者と同じアクションをしがちなのは、
よくよく理解できます。
しかしながら、
私はこれまでに
〇不動産を仲介してお金をいただいたことはありません。
〇物件を転売して利益を得たことはありません。
〇第三者の物件を管理して利益を得たことはありません。
しかも、
法人も設立していませんから、
宅建業者登録もしていません。
「なんで?」
それらの行為に手を染めれば、
それは、
タダの不動産業者です。
数多くの不動産業者に
1つの業者が増えただけのこと。
文化の担い手になることは
未来永劫、不可能となります。
徒手空拳のサラリーマンが
経済的に独立した
大家さんになるには、
不動産の良し悪しを
不動産業者に聞かなくても
自ら判断でるようにならなくてはなりません。
にもかかわらず、
自分が不動産業者だったなら、
お客を
お利巧に
するわけには
いきませんから、
不動産の良し悪しのツボなど
教えられなくなるのです。
文化にまで昇華するには、
自分だけでなく
数多くの人が
知識や知恵や技術を共有し、
高めあってゆく環境が
なければなりません。
工業製品のように
型枠で同じ姿かたちをした
大量の製品を製造しても
それは文化にならない。
そう思うのです。
私が提唱するのは
「貸家主義」です。
〇貸家の意義を認め
〇貸家の価値を高め
〇貸家とともに生きてゆく覚悟を
もつことこそ、
貸家主義の本分!
さすれば、
皆さんの所有する貸家群は、
鶴の恩返しならぬ、
貸家の恩返しとして、
魔法の長財布を
与えてくれることでしょう。
共に学び
共に発展させ、
可能であれば、
皆さんが
新たな貸家業の講師として
多くの兼業大家さん希望者の
灯台に
なっていただきたい。
心から、願っています。
以上、略儀ながら
暑中お見舞いとして。
藤 山 勇 司
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