家督と人生のバトン

江戸時代……
いえ、室町や平安、そして大和朝廷の頃から
日本の相続は、「家督(かとく)相続」でした。

 

「かとく……、どういうこと?」

 

〇急峻な山々と水害
〇台風の襲来
〇地震の頻発

日本は決して、
安楽に住める国土ではありません。
1人、もしくは1家族で生きてゆくことは困難ゆえ、
縄文、弥生時代から

☆ドングリを植え
 →(原生林化した日本の山々は2000年以上前に植林されたものとされています)
☆貝を常食とし
 →(日本の各地にある貝塚は集団生活していた証拠とされています)
☆畑や稲作を始め
 →(西暦前後、日本各地で水田の跡が発見されています)
集団で生活するようになりました。

集団で生活……
それぞれが役割を持ち、
判断を下す長(おさ)が決まり
村から豪族に、
そして、地域を支配する領主が生まれました。

よく、
封建制度は、自由がない
お殿様の独裁
領民は塗炭の苦しみの中で生きていた
 
なんて、
ディスる方々がいらっしゃいます。

確かに、
今の価値基準から言えば、
・移動の自由がなく
・職業選択の自由もなく
・個人財産は制限され
・発言の自由もなく
・選挙権も被選挙権も
ありませんでしたから、
不満を口にされるのは
よく、理解できます。

ただ……

 

「ただ、何? 昔の方が良かったって言ってるの?」

 

そうは、
申しておりません。

しかしながら、
批判の対象となっているのは、
縄文、弥生、古墳、
平安、室町、江戸と連綿と続く時代に
生き抜き、バトンパスを継続されたのは、
間違いなく、
現在の私達に繋がる、ご先祖様です。

その頃の、
技術や自然の猛威に対する制御の拙さを踏まえ、
最も相応しい社会システムを構築し、
生き抜いてきたのだろう……
私にはそう思えます。

そして、
そのベースは、
『家督相続』
でした。

平均寿命は40台半ば……
大半のご先祖様方は
志半ばで寿命を迎えていました。

己1人で、何かをやり遂げる時間など
許されていない頃。
私達のご先祖様は、
村や豪族や藩の中、
家を中心に役割を担い
子供の頃から、
家の持つ役割を担えるよう
次の世代にバトンを渡せるよう、、

〇教育し
 → 読み書きそろばん(日本の識字率は80%を超えていました)
〇技術を伝承し
 → 士農工商、それぞれに伝えられる技術が存在しました。
〇集団生活の基本を叩き込み
 → 仏教や神道そして、祭りの中で幼い頃から集団生活の大切さに
   触れるようにしてゆきました。
 
 

「やだねぇ。親から職業を決められるんでしょ。
 もし、やだって言ったらどうなるの?」

 

廃嫡(はいちゃく)です。
例え、長男と言えど、
家の役割を担えないと
判断されれば、
家督相続の対象から外され、
家のバトンは
次男、三男に移動。
もしも、男子が生まれなければ、
他家から養子を迎えていました。

 

「廃嫡ねぇ。廃嫡された長男はどう、するの?
 殺されたりしたの?」

 

作男(さくおとこ)として、
家長の指示に従い、
農作業や小間使いの仕事をしながら
生きていました。

 

「き、厳しいねぇ。やっぱ、やだわ。そんな時代」

 

それだけ、
各々の家が担う役割が大切だった。
そうとも言えます。

役割を担えなければ、
集団としてのパフォーマンスが低下し、
村や藩の消滅に繋がりかねなかった。
厳しい時代であったのは、
仰る通りです。
 
天災や災害には、
1人で立ち向かえない。
村単独でも無理……

結果として、集団で
困難に立ち向かい、
乗り越える。

(困った時はお互い様だぁ。
 じいちゃんの頃、
 お宅の村が、
 おらが村を助けてくれたじゃない。
 良く聞かされたよ。
 だから、遠慮しないで。
 助けあっていこう)

こんな、絆の連鎖から
日本民族の特異性が生まれたのではないか……
私には、
そう思えます。

当然のことながら、
個人財産なんて、 
微々たるものですから、
資産相続なんて、
豪商や豪農など
一部の人々しかありません。

多くは、
『形見分け』
でした。

翻って、現代社会。
個人責任が
ベースとなり、
会社や役所に
所属していても
一生を保証されるわけじゃない。

所属する集団に尽くしても
遺族の面倒を
見てくれる人などいない。

自由を獲得した権利と
引き換えに、
自己責任を押し付けられている。
バトンパスは家から個人に変わった。
そう思えるのは、私だけでしょうか。

私達の寿命も予想以上に伸びました。
その昔、40台半ばだった寿命は
倍の80台になり、
おそらく、
数十年後には

 

「100歳からのパートナー選びはコレだ!」
 
 

と言う題名の
電子書籍を
電子デバイスで読んでいるのが
当たり前になるのかもしれません。

 

「何が言いたいの?」

 

自由を謳歌する
影には、
封建時代に
家督を相続できなかった
バトンパスから外された
人々が甘んじた「作男や作女」
と同様、
お金に不自由する人々は、
奴隷のように
他者の指示を受けながら
カツカツ生きていけるだけの報酬の中で
生活するしか、選択肢は残されていません。

そうした
連綿と続く文化や伝承のバトンパスから
のけ者にされた
苦境に陥りたくない。

勿論、自分自身そうですが、
妻や子供たちも
そして、その後に続く孫やひ孫にも
常に、
自分の頭で考え、
己の判断で生きて行ける
バトンパスを担える
自由の翼を獲得して欲しい。

心から願っています。

 

「で、大家さんになれってことか」

 

確かに、仰る通り。
大家さんとしての基盤を作れば、
財務状況は劇的に改善し、
お金に不自由することは無くなります。

ただ……

 

「ただ、なんだよ。大家さんを拡大すれば
 それでいいでしょ。
 他に何があるの?」

 

大家さんになり、
貸家を相続するのは、 
「資産相続」
だけのこと。
本当に重要な相続である
バトンパスに練習を
課していないと、
皆さんが
この世を卒業した後、
しばらくすると、
莫大な資産があったとしても
雲散霧消……
皆さんのご子息は、
封建時代の
「作男・作女」
に追い込まれてしまうでしょう。

 

「なんで?」

 

バトンパスの根幹である
家督相続をしていないからです。
大家さんの仕事で言えば、
貸家の維持管理ですが、
不動産賃貸業の業務で
必要なスキルは
それほど、大きくはありません。

にも関わらず、
お金は入ってきてしまう……
こうなると、
勘違いしやすい。

自分は凄いと
有頂天になってしまい、
周囲を見下げる態度が
第二の性格になる恐れがある。

こうなると、
社会から徐々に
本人が意識しない圧力で
遠ざけられ、
その手にあったはずの
バトンは姿を消してしまいます。
 
 

「そんなことあるかい?
 金がありゃ、どうにでもなるでしょ」
 
 

お金だけでは、
真の意味の
遺族の拠り所となる
相続にはならないのです。

 

「どうすりゃいいの?」

 

一人一人が
家と関係なく、
社会人として判断される仕事を
常に持つ必要がある。

バトンパスの役割が
家から個人に変化した
現代社会では、
その意識と経験が無ければ、
莫大な資産があったとしても
なんの役にも立ちません。

冒頭申し上げました。
「家督相続」は
資産相続ではない。
資産は、形見分けと同様、
つけ足しに過ぎません。
 
本当に役立つのは、
一人一人の力量を
思う存分発揮させることです。

貸家が生み出してくれる
お金は生活を支える基礎にはなりますが、
人生を謳歌する
満足感には至りません。

 

((オレは、社会の役に立っている))

 

この感覚こそ、
文化や伝承のバトンパス
を担っている感覚であり、
集団生活で生きてきた
日本人が、
満足するベースです。

 

「お子さんには、どう言っているの?」

 

〇30歳までに、
 社会に認められる人間になれ!
〇何の仕事でもいい。
 人から社会から感謝されるような仕事をしろ!
〇一人で生きるな。
 家族を作れ。子供に精一杯、寄り添え!

です。

家督相続が
「家」から「個人」
に移動したからこそ、
能力の低い子供を
廃嫡し、「作男・作女」
に断罪するのではなく、
それぞれの長所を見つけ、
見合った天職に必要な
教育を与え、
次世代に繋ぐバトンパスを
担える人物まで押し上げる。

その役割こそ、
貸家が生み出す家賃ではないのか。

人々が意識しない内に
相続が「家」から「個人」に
移され、
自己責任という
誰も反論できない錦の御旗により、
追い詰められている現代だからこそ、

貸家主義 〇貸家の意義を認め
     〇貸家の価値を高め
     〇貸家と共に生きてゆく覚悟を持つ
 
を広め、
賛同して頂ける皆さんに
私のノウハウを全力で
引き継いでゆく!

それが、
私の社会に対するバトンパス!
です。

令和になっても
平成と同様、

〇あわてず
〇あせらず
〇あきらめず

熱く、熱意を込め、前に前に
残された時間を生きてゆきます。

今後とも宜しくお願い申し上げます。

令和2年2月吉日
藤 山 勇 司

 

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