観光立国を地方創生の柱とする内閣府は、
2020年までの2000万人の目標を
3000万人までに引き上げています。
では、訪日外国人観光客の目的地はどこでしょう?
前年比伸び率第一位は、
往年の新婚旅行地であった
「熱海 +282.7%」であり、
第二位は「福岡 +209.3%」、
第三位は「北九州市 +208.7%」
第四位は「軽井沢・佐久・小諸 +206.5%」、
第五位は「嵐山・太秦・高尾周辺 +199.1%」でした。
日本人の人気観光スポットとは、若干、趣が違います。
旅の本質は、
いつもと違う場所での体験とリフレッシュです。
ニューヨークやパリやロンドン
そしてハノイや北京などの
大都市で暮らしている富裕層が、
同じような東京や大阪では、
旅の本質を満喫できるはずがないのです。
日本の観光資源の真髄は、
大都市ではなく、地方にこそある。
それが、答えと言えるのではないでしょうか。
そして、日本人の原風景は、
弥生時代から連綿と続く
田園風景であることは
申し上げるまでもありません。
稲作作りを生活の柱としていたからこそ、
郷や村の共同体を育み、
洪水や日照り、
そして地震の災害には一致団結して
対応し続けてきたのです。
なぜ、稲作が生活の柱とできたのか。
それは、一粒の種籾から
豊かな収穫を期待できたからです。
田起こし、水入れ、田植え、
そして延々と続く雑草取りを経て、
収穫の時を迎えます。
狩や漁業などの暮らしは
時の運に左右されます。
一方、水田であれば、
連作障害もなく、
定住して一定の収穫を
期待できるようになったのです。
では、一粒の種籾から
どのくらいの収穫が得られるのでしょうか?
稲作は弥生時代から品種改良を加え続け、
今では1粒の種籾から500粒前後の
お米が収穫できるようになりました。
ただ、それは農薬や化学肥料のお陰であり、
260年続いた江戸時代の平均値は
200粒から300粒程度……。
収穫量の多いお米であれば、
1粒から1000粒ほどですが、
その数値が限界です。
いろいろな数値がありますが、
えいやと500倍としましょう。
1粒から500粒、
この数値があるからこそ、生活を安定できた。
あぜ作りから水路維持に開墾、
大勢の労働を支える基礎は、
原資を500倍にする稲作があったればこそ。
何かに似ていないでしょうか?
そう、
私たちが今受け取っている銀行の金利を
種籾1粒と置き換えてみるとどうでしょう?
ご存知のように、日銀のマイナス金利導入により、
定期預金の年間金利は、0.01%。
そして普通預金の年間金利は、0.001%です。
その昔、と言ってもバブル時期には金利で生活可能でした。
なにせ、郵便貯金の定期預金金利は8.64%、
”ハロー幸せ”を合言葉にしていたのですから。
それが、今では0.01%という惨状です。
定期預金10万円預けて、
1000円であり、
普通預金10万円だと、100円!
時間外取引やコンビニでお金を下ろすと、
108円かかりますから、
8円のマイナスとなってしまいます。
そんな時代をのろっても
無駄と申し上げるしかありません。
じりじりと焼きつくす太陽をにらみつけても、
どうしようもありません。
金利低下は環境の変化ととらえ、対策をとるべきです。
選択肢は様々ありますが、
私がご提示できるのは、「兼業大家さん」です。
本業をしっかりとこなしながら、
大家さんとなり、家賃により回収するのです。
種籾は本業から得た自己資金です。
「えっ、そしたら
1円が1年で500倍に増えるの?
そりゃ凄いや」
残念ながら、
そんな暴利を、むさぼることは不可能です。
年間の増額ペースは15%ほど。
税金や再リフォーム費用を除くと、12%程度です。
「なんだ、そんなに低いんだ。
だったら銀行に預けておいたほうが、いいや。
減ることもないしね」
ちょっとお待ちください。
金融機関の定期預金金利は0.01%であり、
普通預金金利は0.001%です。
兼業大家さんを実現して、
貸家から得られる期待利回りは12%です。
金融機関の金利から比較すると、
定期預金金利の1200倍であり、
普通預金金利の1万2000倍です。
兼業大家さんと稲作は非常に似ているのです。
稲作は畑と違い、連作障害はありません。
もちろん、
貸家の家賃にも連作障害は微塵もありません。
今年入金されている家賃は
来年も同じように入金されてくることでしょう。
1室入居されれば、
それ以上の家賃が見込めるわけでもありませんから、
強烈なライバルが近所にできたとしても、
さほど影響はないのです。
稲作にも様々なスキルがあるように、
兼業大家さんにもスキルがあります。
私は、
兼業大家さんのスキルを
サラリーマンの知恵に昇華させ、
そしていずれは文化にまで高めてゆければと、
願っています。
藤 山 勇 司