悪徳セミナーにご注意を

 

どうやら、とんでもない
不動産投資セミナーが
都内、首都圏、そして全国各地で
開催されているようです……。

 これは、複数の読者の皆さんから
寄せられたご意見に加え、
裏取り取材をした
悪徳不動産投資セミナーの
一場面です。

 

「本日は、当セミナーにお越し下さり、
誠にありがとうございます。

さて、今日お見えの皆さんは、
見事に大家さんと成られた方ばかりです。
もう、不動産をお持ちになられている。

なのに、なぜ、またまたセミナーで
学ぶことがあるのか?
一体、なぜ?

そう、収益不動産が値上がりして、
目ぼしい不動産がなくなったから、ですよね。」

 

………、このフレーズで
参加者の共通認識を再確認します。

確かに、都内及び首都圏の
収益不動産は値上がりしています。
肌感覚で申し上げますと、
6年前~7年前の倍程度ではないでしょうか。

 

「このグラフをご覧ください。
これは、渋谷・青山・新宿で
販売されている、
ワンルームマンションの
相場推移表です。

どんどん値上がりしています。
南青山のこのマンションなんて、
利回りは4%を切って、3%の前半。

にも係らず、市場に出した途端、
希望売却価格よりも10%上乗せ
した価格で売却されました。

え、本当かって?
当然です。私が担当したのですから、
間違いありません。

ね、これが証拠!
売主さんと購入者さまの氏名と住所は
黒塗りしていますが、
お分かりになるでしょ」

 

………、嘘か本当か
その実態は分かりません。
ただ、証明書もどきのものを、
スライドで目の当たりにした
参加者の皆さんには
紛れもなく「「事実」」となります。

 

「いいなぁ~、いいなぁ~、
って、思うだけでは、いけません。
行動に移さなければ、
現実は近づいてきません。

♪♪幸せは、歩いてこない。
だから、歩いて行くんだよ♪♪

水前寺清子さんも歌ってたでしょ。
って、古いか(笑)。

ただ、待ってください。
もっと上がるんじゃないか。
これからも上がるんなら、
今は待ってる方がいいんじゃないか?」

 

………、見事です。
主催者は不動産業者です。

買えぬなら、
売らせてみようホトトギス!

本音はそうであるにもかかわらず、
別の表現でオブラードに包み、
参加者の心の奥底に打ち込みます。

そして、
((今じゃないでしょ。
まだ上がるわよ))と言う
参加者の本音を
拾い上げています。

生唾ごくり。
講師の次の言葉を待ちます。

 

「そうやって、泣きの涙に暮れたのは、
いったい誰?
バブルの犠牲者でしょ。

上がり続ける相場なんてない。
私は業界で34年。
バブルを目の当たりにして、
そんな欲をかいて、
一家離散した方々を数多く間近で、
この目でこの耳で………。

~ちょっと間を開け、悲しげに上を向く~」

 

………、クロージングに入ります。

真剣に聞き耳を立てる
参加者の立場に立てば、
講師の言葉に疑いようもありません。

業歴を34年と刻み、実体験として話し、
不動産の値段が下がると
断定していないのに、

参加者は、
((そうか、今が頂点なんだ。
これから下がるんだ、どうしよう))
と、気もそぞろに追い込んでいます。

 

如何ですか?
これが、悪徳不動産セミナーの実態!
<<買わぬなら、売らせて見せよう>>
の、真骨頂です。

 

(え、どこが悪徳なの?
いい人でしょ。
それに、出口戦略は必要でしょ)

 

そうですか、感染しましたね。
では、あなたには治療薬を、
そして未だ感染していな方々には
ワクチンを差し上げましょう。

 

まず、悪徳不動産業者の
今後の予定をお話ししましょう。

彼らは、参加者所有の不動産の
売却を推し進めます。
確かに、買値が安いので、利益は出ます。
では、売った方々には何をするのか?

 

売り込みにかかるのです。
利回りがいい不動産であれば、
それも一つの選択肢です。

不動産のリストラクチャリングですから
否定するものではありません。

 

しかし……、
Aさんの不動産をBさんに、
Bさんの不動産をAさんに
売っているとしたら?

 

どうなるでしょうか?

売らなければ、AさんもBさんも
被害はありません。
仲介手数料も、登録免許税、取得税、
譲渡益課税も支払う必要はなかった。

ところが、AさんとBさんの不動産を
交換しただけで、余計な経費が
生じてしまったのです。

では、誰が儲けたのか?
そう、セミナーを主催した
不動産業者です。

どちらも売主と買主の仲介を
実行したのですから、
双方の取引で6%+消費税を
懐にしました。

 

なぜ、そうしたことが
起こってしまったのか?

それは、兼業大家さんの
”今が不動産価格の頂点ではないのか、
今後暴落するのではないか”
という不安を掻き立てたからです。

 

(そうかぁ、でも売ったら
買わなけりゃいいんでしょ。
売るのは問題ないんじゃない?)

 

1000万を超えるお金が
入金されてきます。

そのお金を自己資金として
他の物件を購入できるとしたら、
どうするのか。

これまでの大家さんとして
生活してきた方がにとっては、
魅力的すぎる提案です。

悪徳不動産業者は100%の勝ちなんて
狙いません。
思う通りの動きをしない顧客なんて
相手にしなければ、それでいい
と考えています。

もともと、知名度もない。
資金力なんて何もないのです。
大手に勝てないから、
洗脳セミナーに頼るしかないのです。

 

よろしいでしょうか。
問題は、そこではありません。
今後、不動産価格は長期的に見て、
上がるのか下がるのかです。

 

人口減少、東京オリンピック閉会後、
日本の国際的地位の下落、
世界的不況の足音……etc

本屋に行くと、先行き不安な書名が林立し、
眩暈がするほど。
不動産の値段が上昇基調を続けるなど、
信じられません。

 

しかしながら、特定地域の不動産価格は
少なくとも値下がりはしません。

主な理由は3つ

①世界の不動産投資利回りから比較すると、
日本の不動産価格は半値以下である。
②外国人観光客の増加とともに、
実質的な移民政策が推し進められている。
③日本の不動産購入に国籍条項はない。

 

世はグローバル時代。
お金は国境を越え、
日本の移民のハードルは
低くなりつつあります。

しかも、世界の人口は1年で
1億人の増加が続いているのです。
治安が維持され、公共交通機関が正確で、
街並みは整然とし、
働き口のある国、日本。

その実態は、世界に広く
認識され始めているのです。

 

(俺にも参加させろ。
俺にも仕事させてくれ。
できたら永住権も欲しい)

 

こうした新興国の秀才や
先進国の投資家を押しとどめることなど
できません。

 

現状、大家さんになっている方々に
申し上げます。

出口戦略など考えず、
所有されている不動産に
目を向けてあげてください。

設備の更新や
便利グッズの導入などにより、
貸家の魅力を向上して
あげてください。

 

さすれば、
鶴の恩返しならぬ、
((貸家の恩返し))として、
家賃のアップや入居率のアップで
応えてくださるはずです。

 

どうしてかって?
 

それは、多くの大家さんは、
貸家にお金をかけようとしないからです。
放置プレイと申し上げても
過言ではないほど。

家賃は欲しいけど、
リフォームには後ろ向き。
だからこそ、少しでも目をかけると、
大きなリターンを得ることが
できるのです。

何かの縁があって、
彼らの庇護者になったのです。
捨てること(出口戦略)ばかりに
フォーカスするのではなく、
共に歩むことを考えて
頂ければと存じます。

 

以上、略儀ながら感謝とともに。

藤 山 勇 司

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