行き過ぎた節税アクションの末路 ~カルロス・ゴーン編~

 
「驚いた、驚いたぁ……
 まさか、こんなことが起きるとはね……
 いやぁ、ビックリだわ」

 

何のお話ですか?

 
「知らないの?
 日産のカルロスですよ。

 20年前の1998年にさ、
 2兆円の有利子負債を抱えて
 経営危機になったじゃない。

 そこに、救いの手を差し伸べたのが
 ルノーでしょ。

 ほんでもって、
 日産に送り込まれたのが、
 当時副社長だった45歳のカルロスだよ。

 それが、逮捕だよ。
 ビジネスジェットで羽田に着陸した途端、
 東京地検特捜部の係官にさ、
 3時間も因果を含められて、
 ガチャンだもんね。

 ひどくない?
 フランじゃ、クーデターって言われてるし、
 日本の評判、最悪になるんじゃないの?」

 

なるほど、逮捕の理由はご存知ですか?

 

「ああ、だいぶ、
 はっきりしてきたじゃない。
 報酬の誤魔化しって言ってもさ、
 まだ貰ったわけじゃないじゃない!
 辞めた後のことでしょ。

 確かにさ、
 全部合わせたら、
 120億くらいかもしれんけど、
 支払われるときには、
 税金払らうんだから、
 いいじゃない。

 煎じ詰めたらさ、
 将来の支払い金額を
 有価証券報告書に
 記載しなかっただけでしょ。
 確か……
 逮捕理由は、
 “金融しょうひんと、と”」

 

金融商品取引法違反(きんゆうしょうひんとりひきほういはん)
ですね。

 
 
「でもさ、その、
 金融商品なんちゃら
 で逮捕って、
 なんかしっくりこないよね。
 どういうこと?」

 

金融商品取引法違反
の実行行為者、
つまり、
実際に違反をした犯行者は
10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金または併科です。

 

今回の容疑としては
『有価証券届出書・発行登録書・有価証券報告書・訂正報告書等について
 重要事項に虚偽記載のある書類を提出した者』
に該当します。
 

日産は上場企業ですから、
一般人や企業そして投資会社は
有価証券報告書を精査し、
投資の是非を検討するものとされています。

 

「そんなの、
 見て株式投資する奴なんかいないでしょ。
 そうじゃない?
 こじつけでしょ」

 

まぁ、
有価証券報告書を
分析して株式投資をする一般人は
レアかもしれませんが、
投資会社においては
舐めるように分析するのは、事実です。

なにせ、分析材料は
有価証券報告書こそ、
第一級の企業資料ですから。
 

そこに、嘘があると、
株式市場の健全性が
阻害されるとされているのです。

この法律は
ホリエモンのライブドア事件に
見直されまして、
最高刑が5年から10年に引き上げられたことでも
知られています。

 

「まぁ、
 そうかもしれんけど、
 訂正すりゃ
 いいだけじゃないの?

 明石家さんまさんばりにさ、
 ”いやぁ~
 めっかっちゃった?

 そうそう、
 報酬のほかにさ、
 120億ばかり
 貰う契約をしちゃってるんだよね。
 でもさ、
 倒産間際の日産をV字回復したでしょ。
 GMとかフォードとかクライスラーの
 経営者からしたら
 可愛いもんでしょ。

 まぁ、
 めっかっちゃったんなら、
 訂正するから
 許してチョンマゲ”

 とかなんとか、
 おちゃめにしてりゃ、
 笑ってくれるんじゃないの?

 それを何!

 カリスマのカルロス、
 何か、響きいいね。
 ”カリスマのカルロス”

 あしたのジョーのさ、
 カーロスリベラっぽくない?
 あいつは結局……
 パンチドランカーの廃人になっちゃったけど。

 カルロス・ゴーンさんも
 落ち込んで、廃人になるかもよ。
 日産にしたらさ、
 命の恩人をそんなに追い込むなんて、
 酷くない?
 日本人の意気地はどうしたの?」

   

ここからは
私の想像が入りますが、
おそらく、
実態に近いのではないかと
考えておりますので
お聞き願えますでしょうか?

 

「おお、
 聞かせて貰おうじゃない」

 

今回のケース
表に出ている主な3つのファクトを列挙しますと

〇東京地検の捜査案件であり、在宅起訴ではなく逮捕した。
〇日産・三菱はゴーン氏の代表取締役会長を解任した
〇フランスのルノーは、同氏を解任していない。

 

以上となります。

 

「当たり前でしょ。
 どの新聞見ても、
 そう書いてるわ
 それが、どうしたって言うの?」

 

ゴーン氏は
ルノー・日産・三菱
3社の代表取締役会長でした。
今回の逮捕劇を受け、
日産と三菱は全取締役一致で解任、
一方、ルノーは解任保留です。

この結果は、
フランスと日本の認識の差を表しています。

 
ちなみに、
2017年の生産台数は

日産   570万台
三菱   120万台
ルノー  380万台
合計  1070万台

です。

 
つまり、
3社を統合すると、
トヨタやフォルクスワーゲンに匹敵する
自動車会社が出現するわけです。

 
そして、
フランス政府は
ルノーの株式を15%保持しています。

 
さらに、
フランスの会社法では、
2年以上保有する株主は2倍の議決権があり、
実質、ルノーに大きな発言権がある。
 

しかも、
ルノーは日産の43%の株式を保有し、
3社の代表取締役はカルロス・ゴーン氏である。

反政府デモが頻発し、
支持率が20%の前半で低迷している
エマニュエル・マクロン氏からすると、
3社を統合し、
フランスに世界最大の工場を誘致することこそ、
支持率回復の決め手になる。

そう思ったとしても
不思議ではありません。

 

ですから、
扇の要である
カルロス・ゴーン氏を解任しなかった。
そう思えるのです。

 

「日産とルノーの関係は
 その通りでしょ。
 でもさ、
 どう見ても
 今回のケースは無理筋じゃないの?
 下手したら、
 東京地検は、
 改編を余儀なくされるんじゃないの?」

 

そこで、
東京地検が
在宅起訴ではなく逮捕した、
その自信の理由です。

 
ここからも、
私の独断と独善で分析します。
逮捕の核心は、
『所得税法違反と特別背任』
です。

 
「特別背任って、
 あれでしょ。
 働いていない姉ちゃんに
 報酬払ったとか、
 母ちゃんに無料で豪邸に住まわせたとか
 家族旅行代金を日産にとか

 でもさ、
 儲けられるようにしたのはさ、
 カルロスでしょ。

 確か、
 利益ゼロから
 年間利益7500億円だっけ?

 わずかなもんじゃない。
 目くじら立てるほどのものじゃないじゃない。
 ちがう?」

 

 確かに、
 比較から申し上げれば、
 アメリカのビッグ3と呼ばれる
 自動車会社の経営者の報酬や
 福利厚生そして、
 退任後の継続した報酬確約から
 見れば、
 そうかもしれません。

 
 ならば、
 なぜ、
 事実のまま記載しなかったのか?

 

「そりゃ、
 日本だからでしょ。
 あんまり多く貰うと
 バツが悪いちゅうか、
 日本のマスコミにやり玉に挙げられるかもしれんし、
 あることないこと書かれるだろうし、
 日産の評判をおとしたくなかったんじゃないの?」

 

すでに、
年収10億ですから、
それが2倍になったからと言って、
左程の影響はあり得ないでしょう。

 

「だったら何?
 所得税法なの?」

 

正解!
私の推理によると
それが核心です。

と、
申しますのも

昨年から
日本の税務当局も
租税情報について
EUやアメリカと
やり取りを自由に行っています。
 

なぜ、
そうした取り組みが必要になったのかと言えば、
富裕層の税務逃れが
見逃せなくなるレベルで行われていたからです。
 

例えば、
フランスの納税義務は
1年の内183日、
フランス国内にいる人物を対象としています。
居住地主義、属地主義です。

アメリカの納税義務は、
アメリカ国籍を持っていること。
アメリカの永住権をもっていること、
ワーキングビザで90日以上いること。
属人主義です。
 

では、
日本はどうかと言えば、
「居住実態に即して総合的に判断する」
と、されています。

・主たる活動拠点があること
・主たる住居があること 

以上で、納税義務が生じます。
 
 
◎ゴーンの退任後の報酬約束を有価証券報告書に未記載だった理由は、
表面上の報酬額はルノーよりも少なく見せたかった。
 

→ ルノーが主たる報酬であるので、日本が主たる活動実績国ではない!
 

と、主張できる。

◎ゴーン氏の日本の居住地やホテル滞在費用は、
日産が購入した住居に無料で住み、ホテル費用は日産の支払い。
ゴーン氏はビタ一文だしていない。

→ 本人が支払っていないので、主たる住居ではない。

結果として、
ゴーン氏は税務当局に短期滞在者として、
認識され、
納税義務者ではなかった……

 

つまり、日本で1円も税金を納めていなかったのではないか?
と、考えます。
 

あれほどの巨額の報酬を得ながら、
フランスでは
滞在日数が183日以下だから
納税義務はない。

日本では
短期滞在者であるから
納税義務はない。
 

結果として、
巨額の報酬を得ている日本でもフランスでも
所得税と住民税はゼロではなかったのか?

 

私は
こうした考えられない納税実態により、
国税局はフランスにも問い合わせ(税務情報の自動交換条約により)
酷い状況から、東京地検に報告を入れ、
日産に協力を持ち掛け、
証拠を固めた上で、
ビジネスジェットで
羽田に到着した瞬間を逃さず、
逮捕に踏み切ったのではないか。
そう思えるのです。
 

東京地検もバカではありません。
カリスマ経営者を逮捕して、
無罪となれば、
どんな顛末が待っているのか、
彼らなりに理解している。

にもかかわらず、
白昼堂々、
公衆の面前で逮捕した。
その事実から、
動かしようのない犯行を確認しているのではないか。
そう思えるのです。
 

一昔前は、
税務情報は各国の秘匿情報の一つでしたから、
壁が存在していました。
ところが、
税務情報の自動交換条約が施行され、
租税情報のやり取りで
フランスにも日本にも税金を納めなかった。
 

おそらく、
ベイルートにわずかな税金を納めて、
租税回避をしていたのではないか。
そう、
推測します。

 

「えっ!
 そうなの?」

 

事実から導きだした推測ですから、
確定したわけではありません。
しかしながら、
上記の可能性は非常に高いと考えます。

 

「カルロス、
 どうなっちゃうの?」

 

主たる収益の取得源が日本と認定されると、
どうなるのか?

 

所得総額の約50%の税金
特別重加算税35%
追徴税   14.6%
合計で   99.6%
 

しかも、
日産から損害賠償、
追い打ちをかけて、
一般株主からの損害賠償
がカルロス・ゴーン氏に
襲い掛かる可能性もあるのです。
 

こうした状況は、
国税当局が
取り締まりを確実にしている今年の
9月末から
各国の税務当局が
金融資産や不動産情報を
隠すことなく
情報を交換するようになりました。
 

こうした状況の元に
念には念を入れて、
再検証し、
実行されたのが、
羽田空港のプライベートジェット機内での
今回の逮捕劇です。

覆る可能性は、 
殆どない。
そう申し上げても過言ではない。
と、思えるのです。

 

「こえぇええ。
 でもさ、
 カルロスは
 なんでああなっちゃったんだろ?」

 

 ”税金なんて、1円だってを支払いたくない”
 

この一念では?
そう思えます。
 

行き過ぎる節税は
時として脱税につながります。

 

大家さんも
肝に銘ずるべき
出来事だったのではないでしょうか。

 

以上、略儀ながらカルロス氏に捧ぐ。

 

    藤 山 勇 司

 

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